その時代によって、私達の住宅デザインは変遷していきます。コロナパンデミックや地球温暖化の問題が挙げられる現代的な住まいのデザインは、緑や優しさ、居心地の良さやフレキシブルさが特徴といえるでしょう。今回は、そんな現代的な住まいの在り方を象徴する10の建築をご紹介していきます。
三角屋根の下の玄関口をくぐると、まるで緑の小道を歩くかのような室内が広がるこちらの住まい。都市部に立地する住まいでは、緑や自然といったものと離れて暮らさざる負えません。こちらはそんな都市の中での緑地問題を解決するかのように、居住空間と外部(自然)を絶妙にゆうごうさせ、美しい緑のある空間を家の中に作り出す現代的な住まいです。
「住まいの写真」ページでは様々な種類のリビングを紹介しています。◀
※ リビングの写真ページ
こちらの敷地は東京でも有数の住宅密集地に立地するこの住宅は、お風呂が大好きな3人家族のための家です。プライバシーを守るために塀で覆ってしまうのではなく、内と外が緩やかに繋がるようエキスパンド・メタルのスクリーンとポリエステル・メッシュで境界を作った外観は、無機質な素材感と有機的な植物のツタに覆われ、優しい現代的な住まいの印象を効果的に生み出します。
撮影:鳥村鋼一
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屋上を緑化することにより、断熱作用や植物自体が日射を遮ることによる屋内の温度上昇抑制、そして省エネ効果が期待できます。公共・商業施設に用いられる屋上緑化は、一般家庭住宅でも取り入れることができます。現代的な住まいにありがちな無機質な外観に癒しをもたらし都市部の環境改善にも役立ちますね。
【住まいについては、こちらの記事でも紹介しています】
コンバージョンとは、既存の建物を用途変更して再生させることを指します。使われなくなった倉庫や事務所などを住居として生まれ変わらせる方法です。高齢少子化や地方の空き家問題が深刻化する状況を改善する方法としてコンバージョンは注目を集めています、こちらの住まいは、以前は倉庫だった構造を活かし、高い天井高や広々としたシンプルな空間をつくり出しています。
こちらの現代的な住まいは、モダン建築を想起させるボックス型のミニマルなファサードに木の外壁素材を取り入れることにより、柔らかさと暖かみ、そして環境に馴染む素朴な佇まいを与えています。前庭とうまく調和するようにデザインされており、まるで宙に浮いているかのような軽やかな印象も現代的といえるでしょう。
Photo: Hiroshi Ueda
同じ土地、同じ家に住み続けるというライフスタイルから変わり、今では「人生で三回家を変える」と言われています。特に都市部に暮らす20代や30代では、自分たちのライフスタイルにあったフレキシブルな住まいが必要とされています。こちらは、以前は画一的だったマンションをスケルトンリフォームによって大きなワンルームへと改築した住まい。ベッドルームや書斎は、移動可能な間仕切り家具で、その時の必要性にあわせて間取りを変えられる仕様です。
人工が集中する都市部に住む若者の多くは、小さなワンルームが住まいです。家賃と広さのバランスを取るために、限られた広さの空間を如何に有効に使えるかが最近のインテリアポイントではないでしょうか。こちらはワンルームが結局家具だらけになってしまう、なんてこを防ぐのが、こちらのような多機能家具です。ベッド、デスク、収納、さらに来客用のベッドまで下に収められる仕様に。
パンデミックにより、ホームオフィスが定着化し、家で仕事をする人も増えたのではないでしょうか。現代的な住まいでは「どうやって家にホームオフィスをつくるか」という問題を解決してくれるアイデアがあります。こちらは、可動式間仕切りを利用して空間を分けられる家具。一つの空間とテーブルをプライベートと仕事用に兼用できるのは便利ですね。
こちらの現代的な住まいは、人工的で直線的な素材ではなく、なるべく自然に近いやわらかさで家を覆うようにデザインされています。外周部はすべて厚いアクリルで囲う事で、内部での生活が外部の環境に自然に近づくよう計画されています。
日本の住宅に以前は必ずあった土間空間。そんな土間も、効果的に現代的に住まいに取り入れられています。こちらの住まいは、庭・エントランス・リビングが土間空間で緩やかに繋がり、内・外の連続性が強調された開放的な室内が広がります。壁ではなく、床の段差でゾーニングをし、日常と非日常が混成するリラックスできる空間がデザインされています。