無垢材や集成材のように、樹種の違いだけでなく加工方法の違いによっても木材の特徴・性質は大きく異なってきます。そこで今回は無垢材に焦点をあてて、その特徴と魅力を徹底解剖していきたいと思います。それぞれの樹種や加工方法による木材の性質やデザインの特徴などをしっかりと把握して、木材の魅力が感じられる快適でおしゃれな住まいにしていきましょう!
無垢材とは、丸太からそのまま切り出された木材のことを指します。それに対する集成材とは、薄い板材や小さな断面の角材を接着剤で継ぎ合わせてなる木材を指します。集成材の加工方法が日本で住宅に取り入れられるようになったのは戦後のことで、そうした技術がなかった昔の日本の建物は当然すべて無垢材が使われていました。近年、古民家に注目が集まっていますが、その人気の理由の1つはそこに使われている無垢材の魅力によるものではないでしょうか。その魅力とは具体的にどうゆうものなのか、次からはそれについて見ていきましょう。
小さな木材を継ぎ合わせてなる集成材は、どうしても木目が継ぎ接ぎで見えてしまうため、その木が本来持つ木目の特徴を掴みづらい場合が多いですが、丸太をそのまま切り出してなる無垢材は、木材が持つ木目の表情をしっかりと捉えることができ、インテリアに木の個性的で温かみある雰囲気をそのまま取り入れることができます。木目については、「板目と柾目。それぞれの特徴とメリット・デメリット」も参考にしてみて下さい。
通常、物は「経年劣化」を通して時が経つごとに質や見た目が劣っていくことになりますが、自然の木からそのまま切り出される無垢材では、「経年変化」というかたちで逆に年々色味が深まり、より木目と近い色に馴染んでいく風合いになっていくとともに、耐久性の面でも強度が年々下がっていくのではなく、何百年をかけて徐々に強度が逆に増していくという性質も持っています。
無垢の木材で室内の床などを仕上げることで、木が持つ調湿効果も期待できます。ジメジメとする梅雨や夏には室内の湿気を吸収し、カラカラに乾燥する冬には反対に湿気を放散し、年間を通して室内を快適な湿度に調節してくれます。また、木は熱伝導率が低いため、高い断熱効果も発揮してくれます。金属やタイルのように触れると冷たく感じることもないので、無垢材の安らげる肌触りとともに思わず触れたくなる素材です。
無垢材で一番気を付けたいことは、反りやねじれなどの変形が生じる可能性があることです。その点では集成材の方が優れています。そうした変形ができるだけ起こらないために重要となるのが、しっかりと木材を乾燥させることです。また、無垢材は樹種それぞれが持つ性質や木目がそのまま出てくることから、それらをしっかりと把握して木材のそれぞれの種類に合った使い方をしていくことも大切になります。