多くの人が天井高い部屋に憧れを持っていることでしょう。天井高い空間は体感サイズに直接的な影響を与えます。同じ床面積でも天井が高い方が広く感じられ、小さい部屋の圧迫感や閉塞感を軽減できます。実は天井高い部屋の利点は他にも色々あります。部屋の中にもうひとつの部屋を作ったり、収納スペースを増やしたり、インテリアを洗練させたり… 今回は高い天井の利点を幾つか紹介します。
天井高い空間ではフェイクの部屋の天井を導入することができます。オープンスペースの境界線上は敢えて一段天井を低くして仕切りとしたり、内部に照明を仕込んだカバーで覆い、部屋の天井自体が発光しているかのようなモダンなインテリアを作ったり。太い木製の梁なども高い天井なら重々しくなりません。
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天井高い大きな空間はそれだけでインパクトがあり、ひとつのスタイルとなります。空間自体の魅力を存分に生かすために、インテリアはシンプルかつ大胆なコーディネートがおすすめです。小さい空間では目を引きすぎる鮮やかな色や照明使いも、自由に遊び心を持って楽しむことができます!
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部屋の天井高を利用してロフトが造作できるという利点があります。ロフトはもうひとつ部屋が増えたのと同じ感覚で使用が可能。家族全員の書籍をロフトに集約してホームライブラリとしたり、ゲストが宿泊する際のベッドルームとして、期間限定の子供部屋にするのもいいかもしれません! ロフト収納を天井に設けることもできますね。
こちらのロフト付き住宅はフランスの建築家によるもの。
【変形敷地の住まいについては、こちらの記事でも紹介しています】
部屋の天井高は収納天井スペースとしても利用できます。完全に部屋として使えるロフトまでいかなくても、吊り下げ式のキャビネットやL字金具などでオープンシェルフを造ると収納天井スペースの出来上がり。天井下の空間を有効活用できます。通常の高さでは頭上に収納があると圧迫感を感じたり、背の高い人は頭をぶつける危険がありますが、天井が高いなら大丈夫。壁や天井と同じ色にして収納の存在感を薄めましょう。
天井高い空間は、床の使い方も変わってきます。それはスキップフロア。スキップフロアの住宅は数年前から人気がありますが、天井の低い空間で床レベルを上げると当然さらに天井が近づきます。開放感が欲しくて壁で仕切らないスキップフロアによるゾーニングを選んだのに、これではむしろより圧迫感を感じてしまうかもしれません。しかし高い天井であれば、床レベルを数段上げても問題ありません。写真の部屋のようなレベル差であれば視線の高さもかなり違うので、高いゾーニング効果が得られます。これはとても明確な利点です。
天井が高いということは壁の面積も広いということ。これも利点のひとつです。ぜひ壁を装飾に生かしましょう。広い面積の壁にはインパクトのあるアートもすんなり馴染みます。小さい壁では落ち着きが失われるような大胆なモチーフや色使いの作品も、壁に余白がしっかりとあればインテリアの一部としてうまく調和します。高い天井の照明を工夫すれば、さらにアートも見栄えしますね。
ロフトの収納天井も便利ですが、天井の高さは壁面収納にも有利です。先述しましたが、天井が高い=壁の面積が広いため、造作出来る壁面収納の容量も大きくなります。奥行が浅い造りでも垂直方向にスペースがあるので容量を確保できます。ただ、階段や梯子は必須です。
こちらのリビングダイニングは、既存天井を撤去し屋根まで空間を広げた結果、天井高が高くなっています。高い天井の照明には、二つの考え方が必要です。一つは作業に必要な照明の明るさ、そして雰囲気をつくるの照明の二つです。高い天井の照明デザインには、この二つを分けるという考え方が必要です。こちらは高い位置からのスポットライトと、ダイニング近くに吊るしたペンダントライトで上手にバランスをとっていますね。
クレジット: morimura atsushi
高い天井の照明は部屋の隅々まで明るくする必要がないので、省エネという観点から動線を計算して必要な場所だけに配灯されます。それによって無駄な電気代を削減しつつ空間をすっきりと見せることが可能になります。こちらはロフトからの眺め。よく見ると、ソファやピアノ脇、また安全のために明るさがが必要な階段部分などに分けて間接照明が設置されています。
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