共に生きる、を生かす家:二世帯住宅のメリット

Rei Watanabe Rei Watanabe
まちかどのある家, SPEAC SPEAC Modern Evler
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核家族で育った世代が自分の家庭を持つ今日、当時の親世代が孤立するという現象が見られます。親離れして自分の家庭も持つ様になった今だからこそ、親の元に帰る、親を呼び寄せるという選択肢も別の意味を帯びてきます。大人として親と向き合う、人生の落ち返し地点を経て、今度は共に過ごす時間を親孝行に使うこともできます。もう一声甘えて、今度は孫の世話をお願いしてしまうという人も居るでしょう。ここでは二世帯用に建てられた住宅を見ることで、様々な共同生活の形、そのメリットについて考えてみたいと思います。

同じ木を見つめる

二世帯住宅のメリットとして、多くの人に当てはまるものに経済的な側面があるでしょう。二カ所の住宅に掛ける費用を一カ所に注ぎ込むのですから、予算もアップします。八木建築研究所YAGI ARCHITECTUAL DESIGNによるこちらのお宅は、ご両親世帯に二つの子世帯の、三世帯が共同して建てたものです。土地の使い方、建物の造り、共に豪勢ですね。大きな木をシンボルツリーとした広い芝生の庭を南に眺める各世帯。その中央に親世帯が位置しており、各世帯は独立した生活を営めるよう設計されています。

写真:Satoshi Shigeta (Nacasa&Partners), Shinkenchiku-sha, Ryo Hata, M.Y.写真

流動的に交わる

充総合計画一級建築士事務所による外観の印象的なこちらのお宅は完全分離型の二世帯住宅です。折り目をつけたような外壁や屋根の形に合わせる様に、建物内部も90度ではないコーナーが多用されています。堅く一方向に区切られた間取りの中に居るよりも生活動線がダイナミックで流動的なものになります。斜めのラインに促されて分離された世帯へも頻繁に足が向きそうです。

ゆとりある距離感

株式会社FAR EAST[ファーイースト]によるこちらの家は大きなクヌギの木をシンボルツリーとしています。階ごとに世帯の分かれたお宅は、どちらもゆったりと広い床面積を持っています。これだけの広さを獲得できるのも二世帯ならではですね。一階世帯は庭、二階世帯は屋上テラスと庭に面する大きなバルコニーを持ち、どちらも開放的で明るいお宅です。広々とした生活空間は心にもゆとりを与え、近くに居る家族への思いやりも増えるでしょう。別々の居住空間でありながら、家族に必要とされた時すぐ近くに居る、そんな安心感もまた、心のゆとりに繋がりますね。

子供が自由に行き来する

こちらはお子様の居る子世帯と、ご夫婦二人の親世帯の二世帯住宅です。CAICO ARCHITECT OFFICEは、長い共同生活を見据えて、独立部分同士の程よい距離感を守りました。それぞれの世帯は共有部分で繋がっており、小さなお子様も安心して自由に行き来させることが出来る造りになっています。祖父母と孫のふれあいは、どちらにとっても楽しく学ぶことも多いものです。それを利用して子世帯夫婦も二人の時間を持てる様になりますから、理想的です。

気遣いの心を忘れない

三浦尚人建築設計工房によるこちらの家は二世帯三世代が暮らすお宅です。段差の辛いおばあさまは地階、若いご家族が上階を使っています。異なる世帯の生活時間帯の違いを考慮し、屋外と屋内の双方に階段が設けられています。必要があればお互いに気を使いながら、共有する時間は直接繋がれる、家族同士であってもお互いを気遣い合う習慣が自然に身に付きそうです。

自然と家族と触れ合う

ジェイ石田アソシエイツによるこちらの二世帯住宅はとても大きな庭を持っています。ガーデニングが趣味の方なのでしょう、大変綺麗に手入れされていますね。小さなお子様もいらっしゃるようで、のびのびと庭で遊べてよいですね。遊びながら自然に触れることが出来る、同居する家族から植物の手入れに着いて学ぶことが出来る理想的な環境です。同居する家族ならば留守中の水やりなども頼めて便利ですね。

尊敬する家族と絆を深める

東山明建築設計事務所によるこちらのお宅は、四世代が共に暮らす木の家です。一直線に通された棟木は25mもの長さがあり、それら構造部分を見せる内観は迫力があります。建設作業に参加したご主人のみならず、ご家族も手伝って仕上げ作業を行い、メンテナンスもご自分で行っているとのこと。大工仕事の得意なご主人から若い世代も色々と学ぶことが出来そうです。各人の得意分野を目にすることで、尊敬の念も育まれ、共同作業は絆を深めるでしょう。

近くに居る、を感じる

まちかどのある家, SPEAC SPEAC Modern Evler

SPEACによるこちらの二世帯住宅は、ウッドデッキの中庭を共用部分としています。向き合い過ぎても背を向け過ぎても居ない絶妙な角度で向き合う窓は、互いを監視すること無く、その気配を感じさせるものになっています。中庭への来客を共に迎えれば、それぞれの友人とも知り合うことが出来、大切な人の大切な人を知ることができます。普段とは違う層の人達とも交友の輪が繋がり、世界が広がりそうです。

写真:太田拓実

程よい距離感を守る

三浦尚人建築設計工房によるこちらの二世帯住宅は、分離された二世帯が中庭を共有します。親世帯と子世帯のみならず、子世帯の内部でも、親と子の距離が程よく取られており、家族団らんの共有スペースに直結した子供部屋は、その他の部屋と階を異にし二階部分に纏められています。親と子が、親とその親が、自分の時間とスペースを守りながらいつも近くに居る、安定感のある独立心が育ちそうです。

伝統が息づく

匠都設計によるこちらのお宅は、うらやましい周辺環境ですね。こちらも親世帯が一階、子世帯が二階と言う振り分けですが、印象的なのはそれぞれの階が独自のスタイルを貫きながら、綺麗に融合していると言う点です。シンプルでモダンな子世帯と、伝統的日本家屋の様式が美しい親世帯、その両方を包む和モダンなファサードと、土間のあるリビング。若い世代も純正日本建築の美を身近なところで感じ続けることが出来ます。

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