軒の役割とその上手な使い方

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
八鹿の家, エイチ・アンド一級建築士事務所 H& Architects & Associates エイチ・アンド一級建築士事務所 H& Architects & Associates İskandinav Evler Ahşap Ahşap rengi
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軒とは、建物の外壁から飛び出している屋根部分のことになりますが、近年、特に都市部の住宅ではシンプルな外観デザインで、そうした部分が短くなっていたり、陸屋根などで全く持たない家も珍しくないようです。もちろん、飛び出している屋根をカットすることで、コスト削減やすっきりとしたデザインの住まいにすることもできますが、実は暮らしや住まいに様々なメリットをもたらしてくれる部分でもあります。そこで今回は、軒の役割とその上手な使い方について紹介していきたいと思います。

軒によって生まれる半屋外空間

軒の役割、メリットとしてまず最初に挙げられるのが、それによって生まれる半屋外空間でしょう。軒によって外壁から少し離れた場所でも屋根がかかっている空間ができるので、外にいながら屋根のある室内のような場所が自然と生まれます。縁側は、こうした場所にさらに床を室内と同じレベルで設けたものになりますし、一般的なテラスにも屋根があることで、また少し違った使い方や雰囲気の場所とすることができます。

写真:新島孝之

【縁側については、こちらの記事でも紹介しています】

※ 濡れ縁?くれ縁?今人気の縁側を徹底解説!

日射遮蔽

軒を出すことによって、日射を遮ることもその役割の1つです。特に、夏の強烈な日差しが直接室内に入ってくると、室温が急激に上昇してしまうことになるので、夏の太陽高度の高い日差しはしっかりと遮りながら、冬の高度の低い太陽の日差しは室内に取り込み、部屋を逆に暖めてくれるような役割を果たしてくれます。こうすることによって、軒が深くなりすぎ、室内が暗くなってしまうことも防ぐことができるでしょう。

写真:Ishii Toshihisa

雨除け

軒は屋根の延長であり、一部であることから、屋根の役割の1つである雨除けの意味も当然持っています。雨は風によって簡単に角度がついて降ってくるので、軒がなければすぐに外壁が濡れてしまうことはもちろんのこと、窓を開けているとすぐに雨が入ってきます。もちろん、強風時の雨を軒で除けることは難しいですが、通常の雨であれば先程の縁側やテラスで快適に過ごしていくことは難しくありません。3階建ての軒で1階にある窓の雨除けはなかなか厳しいので、そうした際は庇を窓の上に設けることも1つの方法です。

▶「住まいの写真」ページでは様々な種類の窓を紹介しています。◀

※ 窓の写真ページ

外壁の汚れ防止

外壁の汚れ防止につながることも軒の役割となります。これは先程の雨除けとも関係しますが、外壁に雨が直接当たってしまうと、それによって雨水が壁を流れ、外壁に付いていたホコリや汚れが黒く浮かび上がってきます。せっかくのおしゃれな外観でも雨で簡単に汚れてしまえば、その魅力も半減してしまいますし、外壁をその度にきれいにする手間も面倒になるでしょう。もちろん、軒で完全に外壁を雨から守ることは難しいですが、雨の多い日本では重要な役割を果たしてくれると思います。

室内と屋外のつながり

ここからは、軒の上手な使い方について見ていきましょう。まずは、軒によって生まれる室内と屋外のつながりです。最初に述べたように、軒は縁側のような半屋外空間を生み出してくれます。これによって、室内と屋外の間に中間領域が生まれ、室内と屋外が直接つながっている場合と比べると、内と外を出入りしやすい住まいにすることができますし、また、そこでのアクティビティの幅も広げてくれます。

軒の深さ

軒下空間の快適性や軒の役割に大きく影響するのが軒の深さです。日射遮蔽のところでも述べたように、軒が浅すぎれば夏の強烈な日差しが室内に差し込みますし、深すぎれば室内が暗くなってしまいます。また、雨除に関しても同様です。あまり軒の長さを長くすると、軒先に柱が必要になることも念頭に置いておくといいでしょう。軒は浅すぎず、深すぎず、それぞれの住まいに合った適切な深さを見つけてみて下さい。

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